会社でアプリやデータにリモートアクセスを許可している場合、VPNはおそらく導入リストのどこかに入っているでしょう。しかし、実際に設定を始めると、多くの専門用語が現れます。「SSL VPN」、「IPsec」、「L2TP」、「TLS」など、挙げればきりがありません。
では、SSL VPNは何が違うのでしょうか? なぜ多くの企業が利用するのでしょうか?
簡単に言うと、SSL VPNは特別なソフトウェアをインストールすることなく、安全に社内ツールへのアクセスを提供するシンプルな方法です。ブラウザ上で動作し、すでに信頼されている暗号化(銀行サイトと同じ)を使用し、クラウドアプリやBYOD(個人所有端末の業務利用)にも対応します。
本ブログでは、SSL VPNとは何か、その仕組み、最適な用途について説明します。企業のITを管理している方や、リモートチームやクライアントに安全なサービスを提供する方法を模索している方は必見です。
SSL VPNとは?
SSL VPNは「Secure Sockets Layer Virtual Private Network」の略称です。完全に内部ネットワークにアクセスすることなく、リモートユーザーを特定の社内リソースに暗号化された接続で接続する方法です。
SSLまたはTLSを利用し、HTTPSのウェブサイトを保護しているものと同じ暗号化を使用します。従来型VPNのようにすべてのインターネットトラフィックをルーティングするのではなく、SSL VPNではユーザーが必要とするアプリやツールのみにアクセスできます。
一番のポイントは、多くの場合、専用のVPNクライアントソフトが不要なことです。ユーザーはどんな最新ブラウザからでもログインできます。
これにより、SSL VPNはリモートチーム、外部業者、パートナー企業がフルVPNトンネルを設定することなく、安全にアクセスできるようにしたい企業にとって非常に便利です。
SSL VPNの種類
SSL VPNには一般的に2つのタイプがあり、求めるアクセス方法によって選択します。
SSLポータルVPN
これはシンプルな選択肢です。ユーザーがログインすると、安全なウェブページに移動し、社内リソースへのポータルとして機能します。ウェブアプリ、ダッシュボード、ファイルシステムへのリンクがあり、クリックするだけで使えます。ダウンロードやアプリは不要です。
ユーザーがブラウザベースのツールだけを必要とする場合に最適です。
SSLトンネルVPN
トンネルVPNは一歩進んだ仕組みです。従来型VPNに近い、軽量の暗号化トンネルを作成します。これにより、リモートデスクトップ、FTPサーバー、社内データベースなど、ブラウザ以外のアプリにもアクセス可能です。
小さなプラグインや軽量クライアントソフトが必要になることもありますが、その分ユーザーはより柔軟で幅広いアクセスが可能です。
SSL VPNの仕組み
SSL VPNの接続プロセスは以下の通りです:
- ユーザーは安全なログインページにアクセスします(例: vpn.yourcompany.com)。
- 認証情報を入力します(MFA(多要素認証)が使われる場合も)。
- 認証に成功すると、SSL VPNゲートウェイがSSLまたはTLSを用いた暗号化トンネルを確立します。
- ユーザーは許可されたリソース(ウェブアプリ、社内サイト、共有ファイル)にアクセスできます。
このプロセス全体は標準のHTTPSで行われるため、特別なソフトウェアなしでほぼすべてのブラウザで動作します。
また、ホテルのWi-Fiや公共のホットスポットからでも、データは盗聴から保護されます。
SSL VPNの導入に必要なもの
導入前に必要なものは次の通りです:
- SSL/TLS接続をサポートするVPNゲートウェイまたはデバイス
- 正規のSSL証明書(自己署名はセキュリティ的に不十分)
- ユーザーアカウントのリストまたは認証システム(Active Directory、RADIUSなど)
- 誰に何を許可するかを明確にしたポリシー
- オプション:セキュリティ強化のための多要素認証(MFA)
- 安全なDNSと適切なファイアウォールルール
これらは標準的ですが、それぞれが安全性に不可欠です。
SSL VPNのコンポーネント
システムを支える裏側の要素は以下の通りです:
- VPNサーバーまたはゲートウェイ:SSL VPNトラフィックを処理
- 認証システム:LDAP、SAML、ログインフォームなどでユーザーを確認
- ポータルまたはランディングページ:ユーザーがログイン後に見るインターフェース
- アクセスルール:誰が何を見られるか制御
- ログと監視:管理者がログイン履歴やアクセス状況を追跡
- 暗号化エンジン:TLS/SSLでのデータ転送を処理
これらの各要素は、不正アクセスや情報漏えいを防ぐために重要です。
SSL VPNのメリット
SSL VPNはシンプルかつ柔軟で、安全にリモートユーザーが必要なツールにアクセスする手段を企業に提供します。主なメリットは次の通りです:
- クライアントレスアクセス
- 細かいアクセス制御
- 素早い導入
- 運用コストの削減
- 幅広いデバイス対応
- コンプライアンス対応が容易
SSL VPN vs IPsec VPN(比較表は原文を参照)
SSL VPNとIPsec VPNの比較を簡単にまとめると次のとおりです。
| 機能 | SSL VPN | IPsec VPN |
| クライアントが必要か | 不要(ブラウザベース) | 必要 |
| 導入までの時間 | 短い | 長め |
| アクセス制御 | アプリケーション単位 | 完全なネットワークアクセス |
| 柔軟性 | 高い(多くのデバイスで動作) | 良好だが設定が必要 |
| 用途 | Webベースのツール、リモートアクセス | フルリモートデスクトップ、企業IT |
| パフォーマンス | 中程度 | 高め(大量データ処理に効率的) |
現在、PPTPは一般的に推奨されていません。L2TPはより安全ですが、それでも古いプロトコルです。ブラウザからのアクセスや現代的なセキュリティ対応を考えると、SSL VPNのほうが優れています。
SSL VPNの活用事例
実際に企業では以下のような用途で活用されています:
- 事業継続計画(災害時のリモート対応)
- 認証セキュリティ強化(MFAとの併用)
- リスクとコンプライアンス対応
- アクセス管理の一元化
まとめ
SSL VPNは、企業内ツールへのリモートアクセスを、安全かつシンプルに提供できる方法です。企業ネットワーク全体を全面開放せず、必要なアクセスのみを提供します。
専用クライアントが不要で、導入が迅速かつ管理も容易です。多くの企業にとって、特にパートナー企業や外部エージェンシー、またはモバイルスタッフを抱えている場合、アクセスの利便性とセキュリティをバランスよく保つ手段として最適です。
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